詩篇40-42 ; 使徒27:1-26

詩篇

第40篇

40:1わたしは耐え忍んで主を待ち望んだ。
主は耳を傾けて、わたしの叫びを聞かれた。
40:2主はわたしを滅びの穴から、泥の沼から引きあげて、
わたしの足を岩の上におき、
わたしの歩みをたしかにされた。
40:3主は新しい歌をわたしの口に授け、
われらの神にささげるさんびの歌を
わたしの口に授けられた。
多くの人はこれを見て恐れ、
かつ主に信頼するであろう。
40:4主をおのが頼みとする人、
高ぶる者にたよらず、
偽りの神に迷う者にたよらない人はさいわいである。
40:5わが神、主よ、あなたのくすしきみわざと、
われらを思うみおもいとは多くて、
くらべうるものはない。
わたしはこれを語り述べようとしても
多くて数えることはできない。
40:6あなたはいけにえと供え物とを喜ばれない。
あなたはわたしの耳を開かれた。
あなたは燔祭と罪祭とを求められない。
40:7その時わたしは言った、「見よ、わたしはまいります。
書の巻に、わたしのためにしるされています。
40:8わが神よ、わたしはみこころを行うことを喜びます。
あなたのおきてはわたしの心のうちにあります」と。
40:9わたしは大いなる集会で、
救についての喜びのおとずれを告げ示しました。
見よ、わたしはくちびるを閉じませんでした。
主よ、あなたはこれをご存じです。
40:10わたしはあなたの救を心のうちに隠しおかず、
あなたのまことと救とを告げ示しました。
わたしはあなたのいつくしみとまこととを
大いなる集会に隠しませんでした。
40:11主よ、あなたのあわれみをわたしに惜しまず、
あなたのいつくしみとまこととをもって
常にわたしをお守りください。
40:12数えがたい災がわたしを囲み、
わたしの不義がわたしに追い迫って、
物見ることができないまでになりました。
それはわたしの頭の毛よりも多く、
わたしの心は消えうせるばかりになりました。
40:13主よ、みこころならばわたしをお救いください。
主よ、すみやかにわたしをお助けください。
40:14わたしのいのちを奪おうと尋ね求める者どもを
ことごとく恥じあわてさせてください。
わたしのそこなわれることを願う者どもを
うしろに退かせ、恥を負わせてください。
40:15わたしにむかって「あはぁ、あはぁ」と言う者どもを
自分の恥によって恐れおののかせてください。
40:16しかし、すべてあなたを尋ね求める者は
あなたによって喜び楽しむように。
あなたの救を愛する者は
常に「主は大いなるかな」ととなえるように。
40:17わたしは貧しく、かつ乏しい。
しかし主はわたしをかえりみられます。
あなたはわが助け、わが救主です。
わが神よ、ためらわないでください。

第41篇

41:1貧しい者をかえりみる人はさいわいである。
主はそのような人を悩みの日に救い出される。
41:2主は彼を守って、生きながらえさせられる。
彼はこの地にあって、さいわいな者と呼ばれる。
あなたは彼をその敵の欲望にわたされない。
41:3主は彼をその病の床でささえられる。
あなたは彼の病む時、その病をことごとくいやされる。
41:4わたしは言った、「主よ、わたしをあわれみ、
わたしをいやしてください。
わたしはあなたにむかって罪を犯しました」と。
41:5わたしの敵はわたしをそしって言う、
「いつ彼は死に、その名がほろびるであろうか」と。
41:6そのひとりがわたしを見ようとして来るとき、
彼は偽りを語り、その心によこしまを集め、
外に出てはそれを言いふらす。
41:7すべてわたしを憎む者は
わたしについて共にささやき、
わたしのために災を思いめぐらす。
41:8彼らは言う、「彼に一つのたたりがつきまとったから、
倒れ伏して再び起きあがらないであろう」と。
41:9わたしの信頼した親しい友、
わたしのパンを食べた親しい友さえも
わたしにそむいてくびすをあげた。
41:10しかし主よ、わたしをあわれみ、
わたしを助け起してください。
そうすればわたしは彼らに報い返すことができます。
41:11わたしの敵がわたしに打ち勝てないことによって、
あなたがわたしを喜ばれることを
わたしは知ります。
41:12あなたはわたしの全きによって、
わたしをささえ、とこしえにみ前に置かれます。
41:13イスラエルの神、主は
とこしえからとこしえまでほむべきかな。
アァメン、アァメン。

第42篇

42:1神よ、しかが谷川を慕いあえぐように、
わが魂もあなたを慕いあえぐ。
42:2わが魂はかわいているように神を慕い、
いける神を慕う。
いつ、わたしは行って神のみ顔を
見ることができるだろうか。
42:3人々がひねもすわたしにむかって
「おまえの神はどこにいるのか」と言いつづける間は
わたしの涙は昼も夜もわたしの食物であった。
42:4わたしはかつて祭を守る多くの人と共に
群れをなして行き、
喜びと感謝の歌をもって彼らを神の家に導いた。
今これらの事を思い起して、
わが魂をそそぎ出すのである。
42:5わが魂よ、何ゆえうなだれるのか。
何ゆえわたしのうちに思いみだれるのか。
神を待ち望め。
わたしはなおわが助け、
わが神なる主をほめたたえるであろう。
42:6わが魂はわたしのうちにうなだれる。
それで、わたしはヨルダンの地から、またヘルモンから、
ミザルの山からあなたを思い起す。
42:7あなたの大滝の響きによって淵々呼びこたえ、
あなたの波、あなたの大波は
ことごとくわたしの上を越えていった。
42:8昼には、主はそのいつくしみをほどこし、
夜には、その歌すなわちわがいのちの神にささげる
祈がわたしと共にある。
42:9わたしはわが岩なる神に言う、
「何ゆえわたしをお忘れになりましたか。
何ゆえわたしは敵のしえたげによって
悲しみ歩くのですか」と。
42:10わたしのあだは骨も砕けるばかりに
わたしをののしり、
ひねもすわたしにむかって
「おまえの神はどこにいるのか」と言う。
42:11わが魂よ、何ゆえうなだれるのか。
何ゆえわたしのうちに思いみだれるのか。
神を待ち望め。
わたしはなおわが助け、
わが神なる主をほめたたえるであろう。


使徒

第27章

27:1さて、わたしたちが、舟でイタリヤに行くことが決まった時、パウロとそのほか数人の囚人とは、近衛隊の百卒長ユリアスに託された。27:2そしてわたしたちは、アジヤ沿岸の各所に寄港することになっているアドラミテオの舟に乗り込んで、出帆した。テサロニケのマケドニヤ人アリスタルコも同行した。27:3次の日、シドンに入港したが、ユリアスは、パウロを親切に取り扱い、友人をおとずれてかんたいを受けることを、許した。27:4それからわたしたちは、ここから船出したが、逆風にあったので、クプロの島かげを航行し、27:5キリキヤとパンフリヤの沖を過ぎて、ルキヤのミラに入港した。27:6そこに、イタリヤ行きのアレキサンドリヤの舟があったので、百卒長は、わたしたちをその舟に乗り込ませた。27:7幾日ものあいだ、舟の進みがおそくて、わたしたちは、かろうじてクニドの沖合にきたが、風がわたしたちの行く手をはばむので、サルモネの沖、クレテの島かげを航行し、27:8その岸に沿って進み、かろうじて「良き港」と呼ばれる所に着いた。その近くにラサヤの町があった。
27:9長い時が経過し、断食期も過ぎてしまい、すでに航海が危険な季節になったので、パウロは人々に警告して言った、27:10「皆さん、わたしの見るところでは、この航海では、積荷や船体ばかりでなく、われわれの生命にも、危害と大きな損失が及ぶであろう」。27:11しかし百卒長は、パウロの意見よりも、船長や船主の方を信頼した。27:12なお、この港は冬を過ごすのに適しないので、大多数の者は、ここから出て、できればなんとかして、南西と北西とに面しているクレテのピニクス港に行って、そこで冬を過ごしたいと主張した。
27:13時に、南風が静かに吹いてきたので、彼らは、この時とばかりにいかりを上げて、クレテの岸に沿って航行した。27:14すると間もなく、ユーラクロンと呼ばれる暴風が、島から吹きおろしてきた。27:15そのために、舟が流されて風に逆らうことができないので、わたしたちは吹き流されるままに任せた。27:16それから、クラウダという小島の陰に、はいり込んだので、わたしたちは、やっとのことで小舟を処置することができ、27:17それを舟に引き上げてから、綱で船体を巻きつけた。また、スルテスの洲に乗り上げるのを恐れ、帆をおろして流れるままにした。27:18わたしたちは、暴風にひどく悩まされつづけたので、次の日に、人々は積荷を捨てはじめ、27:19三日目には、船具までも、てずから投げすてた。27:20幾日ものあいだ、太陽も星も見えず、暴風は激しく吹きすさぶので、わたしたちの助かる最後の望みもなくなった。
27:21みんなの者は、長いあいだ食事もしないでいたが、その時、パウロが彼らの中に立って言った、「皆さん、あなたがたが、わたしの忠告を聞きいれて、クレテから出なかったら、このような危害や損失を被らなくてすんだはずであった。27:22だが、この際、お勧めする。元気を出しなさい。舟が失われるだけで、あなたがたの中で生命を失うものは、ひとりもいないであろう。27:23昨夜、わたしが仕え、また拝んでいる神からの御使が、わたしのそばに立って言った、27:24『パウロよ、恐れるな。あなたは必ずカイザルの前に立たなければならない。たしかに神は、あなたと同船の者を、ことごとくあなたに賜わっている』。27:25だから、皆さん、元気を出しなさい。万事はわたしに告げられたとおりに成って行くと、わたしは、神かけて信じている。27:26われわれは、どこかの島に打ちあげられるに相違ない」。


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